研究室概要

東京大学文化人類学研究室——その誕生から今日まで

   東京大学教養学部超域文化科学科文化人類学分科の歴史は、1954年9月、東京大学教養学部教養学科文化人類学及び人文地理学分科として駒場キャンパス内に設置された時を、 そのはじまりとしています。

   以後、1957年3月に第1期生5名を送り出してから、400名を超える卒業生を輩出し、日本における文化人類学の教育機関の草分けとして、文化人類学の発展を支える指導的な研究者を多数生んできました。

   学部教育は現在、東京大学教養学部教養学科超域文化科学分科文化人類学コースとして行っており、毎年5〜10名の学生が進学してきて文化人類学を学んでいます。学部後期課程文化人類学コースでの教育について知りたい方は、「学部後期」のセクションをご覧ください。

   大学院教育は当初は1980年代まで本郷キャンパスで行われていましたが、1980年代後半に駒場キャンパスに移り、今日では総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コースとして、専門的な教育を行っています。大学院文化人類学コースでの教育について知りたい方は、「大学院」のセクションをご覧ください。


本研究室の教員について

    2023年4月現在、文化人類学研究室の教員は、総合文化研究科の専任教員が10名、東洋文化研究所所属の専任教員が2名、また地域文化研究専攻の兼任教員が1名です。コース教員が専門とする研究領域は、民族、宗教、祭礼、政治、経済、知識、言語、イメージ、身体、医療、ケア、開発など多様な領域をカバーし、研究地域も、日本、東南アジア、南アジア、ロシア、ヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカと広い範囲に及んでいます。コース教員の紹介ページはこちらです。


文化人類学とは

  「文化人類学」は、地球上のさまざまな社会的状況における日常的実践を、「フィールド」の現場との分厚い関係にもとづいて研究する学問です。

    フィールドワークに基づく文化人類学独特の研究方法は、近代文明の対極にあるような部族社会や伝統的社会の人々とともに暮らす中で深められたものですが、近年はそうした研究方法が極めて広い応用性・有効性を持つことが理解されてきています。現代の文化人類学は、その研究対象を現代社会の様々な組織・施設に野心的に拡大し、また動植物を含む自然と人間の関係や、人工物ないし科学技術と人間との関係にも視野を広げて、重要な成果をあげつつあります。

   多種多様な人間の活動・営みについての、細部と全体の両方を把握しようとする複眼的な観察力や、協力者との関係を築く社会的スキル、さらに、それを「人間」の問題として、大きな視野の中で考察する強靭でダイナミックな思考が、この文化人類学という学問の特徴です。

    ↑Top