大学院進学についてのQ&A
Q1. 大学院(修士課程、博士課程)に進学したいと考えています。受験のための情報はどのように得ることができますか?
文化人類学コースの入学試験の募集要項は、毎年7月に総合文化研究科HPで公表されます。詳細は、総合文化研究科の入学試験案内のページをご覧ください。なお、このページは総合文化研究科の全専攻の情報を掲載しているため分かりにくいのですが、本コースに関する情報は「文系4専攻」または「文系専攻」と書いてある箇所に掲載されています。
例年10月前半に文化人類学コースを含む超域文化科学専攻の入学試験説明会がオンラインで開催されます(Q2を参照)。
願書受付は例年11月(修士)および12月(博士)に行われ、選考は1月から2月にかけての時期に行われます。
修士一次試験については過去の入試問題を購入することが可能です。上述の入試案内のページの「過去の入試問題について」のところをご覧ください。
外国人の方へ(大学院研究生等) 国費留学生(大使館推薦)についてはこちらを、また大学院外国人研究生(私費)についてはこちらをご覧ください。
Q2. 大学院入試説明会ではどんなことを行うのでしょうか?
大学院入試説明会(10月前半開催)は第1部と第2部からなり、第1部は超域文化科学専攻の3コース(文化人類学コースのほか、表象文化論コース、比較文学比較文化コース)が合同で行います。そのあと第2部は文化人類学コースの単独の説明会で、文化人類学コースの大学院教育についての説明があり、そのあと質疑応答(各教員への個別質問も含む)が行われます。大学院入試説明会はオンライン(要事前登録)で行われます。
詳細については、時期が近づきましたら(9月以降)、総合文化研究科の入学試験案内のページでご確認ください。準備ができた段階でオンラインでの参加方法なども告示されます。
Q3. 大学院教育についてもっと知りたいです。また、教員と連絡を取ることはできますか?
大学院教育の詳細について: 本ホームページの「大学院」のセクションをご覧ください。
教員との面談について【博士課程志望者の場合】: 博士課程の受験を予定している場合は、出願前に研究指導を希望する教員と連絡を取ることを勧めます。「スタッフ」のところにあるメールアドレスを使って連絡を取ってください。
教員との面談について【修士課程志望者の場合】: 修士課程の受験に当たっては、事前に教員と面談することは必須ではありません。が、何らかの深い研究関心ないし動機があり、特定の教員に個人的に相談してみたい場合は、受験する年度の春から10月末まで、相談のメールを直接送ることができます(当該教員の状況により、丁寧な対応が難しい場合もありますので、予めご了承ください)。なお毎年10月中旬頃に開催される大学院入試説明会ではオンラインでの個人面談のチャンスがあります。
Q4. 集団指導制度を取り入れているとありますが、個人指導を受けることは難しいのでしょうか?
本コースの集団指導制度は、個人指導と対立するものではありません。学生各自は、指導教員チーム――とりわけ、主として研究指導を受ける教員――と相談しながら指導のあり方自体を決めてゆくことができ、従って、一人の教員から集中的に指導を受けることが望ましい場合は自然にそのような指導形態になります。
他方、「全体ゼミ(通称水曜ゼミ)」はオープンな議論の場ですが、発表の自由度は高く、議論もフレンドリーな形で行なわれます。また各教員は発表者の学生との関係を意識したうえで、学生にとって有益になるような発言するよう努めていますので、いろいろ指摘されて自分を見失ってしまうようなことはありません。「水曜ゼミ」での発表やそれをめぐる議論は、自分の研究をより広い視野から見つめ直し、新たな視点を得る大事な機会であり、個人指導を補完する役割を果たすものです。
Q5. 学部では文化人類学の教育を受けていないのですが受験できますか? また、どのように受験準備をしたらいいでしょうか?
本コースでは、文化人類学全般に対応しているほか、本コース構成教員が専門とする民俗学・科学技術社会論・政治学・歴史学などの分野で、文化人類学を身近に感じつつ研究に取り組みたいと希望する学生の受験を大いに歓迎しています。文化人類学について関心を持つことは期待されていますが、入学後に学ぶ機会も提供されており、出身学部や、学部時代に文化人類学の教育を受けたか否かは、特に気にする必要はありません。
修士課程に関しては、まず第一次試験に向けて、ある程度の文化人類学一般の勉強が必要になりますが、これは独学でも可能な範囲を想定しています。第二次試験では論文(卒業論文、あるいはそれに代わる論文)の提出が求められます。この論文は、上記のいずれかの分野ないしその隣接分野と関わるものであるか、自身が本コース修士課程で行いたいと思っている研究と内容的に深く関わるものでなければなりません。卒業論文を執筆していても、それが上記のどの分野とも無縁で、また自身が本コース修士課程で行いたいと思っている内容とも無縁である場合は、卒業論文に代わる別の論文を準備することを勧めます。
博士課程は博士論文の執筆を目指して入学するものですので、博士課程での研究の基盤となるような修士論文(上記分野のどれかと深く関連するもの)を提出することが必要になります。本コースの環境を活かして研究を行うため、文化人類学に関心を持つことは求められますが、入学試験にあたって文化人類学の基礎知識等が問われることはありません。
ご不明な点があれば、10月に行われる大学院入試説明会の最後の部分で、Zoomによる個人面談の機会がありますので、そこでコース主任または関連分野の教員に個別的に尋ねていただくこともできます。
Q6. 入学試験は対面で行われるのでしょうか?
第一次選考については、修士入試は東京大学駒場キャンパスで実施します。博士入試の第一次選考は書類選考です。
第二次選考の口述試験(面接試験)は、修士入試・博士入試ともオンラインで行われます。
いずれにせよ、念のため最新の募集要項で確認してください(総合文化研究科の入学試験案内のページの「文系専攻」のところからダウンロードできます)。
Q7. 大学院生への経済的支援としてどのような制度がありますか?
文化人類学コース内ではなく、総合文化研究科内ないし東京大学内での選考になりますが、学業成績が特に優れている等の一定の条件のもとで、次のようないくつかの可能性があります。いずれも入学後の申請または課程修了時等の申請になります。
総合文化研究科GSI国際卓越大学院(修博一貫プログラム): 東京大学大学院総合文化研究科における修士課程から博士課程までの 5 年間を一貫して学ぶプログラムです。プログラム生に選ばれた場合、卓越リサーチ・アシスタント(卓越RA)として研究業務を委嘱され、月額で支給を受けつつ学ぶことができます。詳細はこちらをご覧ください。
博士後期課程学生支援「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成」:東京大学では2021年から左記の名称の博士課程学生支援プログラムがスタートし、定期的に募集が行われています。理工系のプログラムのようにも見えますが、実際には全学問分野に向けられたもので、文化人類学も対象分野の一部となっています。詳細はこちらをご覧ください。
東京大学フェローシップ(留学生向け):大学院における特に優秀な私費外国人留学生に対し研究奨励費を支給するという趣旨の制度です。詳細はこちらをご覧ください。留学生向けの支援については下の Q10 もご覧ください。
このほか、日本学生支援機構奨学金には特に優れた業績による返還免除制度があります。
日本学生支援機構奨学金の返還免除についてはこちらをご覧ください。
Q8. 私は社会人です。仕事を続けながら大学院で研究したいと思っているのですが、可能でしょうか?
仕事を続けながらの就学は一定の条件のもとで可能です。まず、平日の夜間の授業や土日の授業は行っていないため,研究上最低限必要なくらいには,平日の昼間の授業に出席できなければなりません。特に、水曜日の4限と5限(15時頃〜18時半頃で、修士の場合は主に4限、博士の場合は主に5限)には「全体ゼミ」(通称「水曜ゼミ」)が行われるため、この授業に出席できることはかなり強い条件になります。また、特に学位論文の執筆の時期には、執筆の作業に集中して取り組める環境が必要になります。博士課程においては、博士論文の基盤になる調査実施の段階でも、例えば本コースの典型的作業としてはフィールドワークを行うために、長期間、作業にほぼ専念できることが必要になります。
もう一方で、制度上は、そうした場合「長期履修学生制度」を利用できる可能性があります。つまり、職業を有している等の事情によって困難がある場合、修士課程においては、標準修業年限2年を3年または4年として、博士後期課程においては標準修業年限3年を4年、5年または6年として、計画的に履修でき、支払う授業料の総額は標準修業年限の場合と同じになるという制度です(履修計画が研究科の教育会議において承認された場合に限る)。ただし、論文執筆や調査の作業において研究に集中できる環境と期間が必要になるのは上述した通りです。
Q9. 文化人類学コースで学んだ後のキャリアパスはどのようになるでしょうか?
本研究室で博士号を取得した人の多くは、(多くの場合、研究員等の時期を経て)文化人類学や地域研究、また研究テーマに関連する専門分野における研究・教育職に就いています。
一方、修士号のみを取得した人は、各種公的機関や報道機関、様々な企業その他の仕事に得て、本研究室で学んだ知見を生かして活躍しています。
Q10. 留学生として東京大学文化人類学研究室で学ぶ場合、どのような奨学金がありますか?
入学前の奨学金については次の一連のページを参考にしてください。
本研究室が所属する総合文化研究科のウェブサイト:「駒場で学ぶ」 (日本語 / English) および 「奨学金」のページ(日本語 / English)
東京大学全体でも留学生支援ウェブサイト「Welcome to UTokyo」(日本語 / English)を開設しており、参考になるかもしれません。また、これらのサイトで言及されている日本学生支援機構(JASSO)の奨学金については、こちら(日本語 / English) に説明があります。
また、入学試験に合格した正規学生として入学した場合、ハードルは高いですが、審査によって奨学金を得られる場合があります(上の Q7 の回答内で言及されている「東京大学フェローシップ」です)。
Q11. 大学院外国人研究生として学びたいのですが、どういう手続きになりますか?
まず東京大学大学院総合文化研究科による情報をご覧下さい。
私費の場合、指導を希望する教員に事前にコンタクトをとることが望ましいです(ただし、諸般の事情により教員が必ずしもご返信できないこともありますが、その場合はどうぞご了承ください)。
Q12. 私は外国人で、アカデミックな日本語の能力が不十分ですが、英語ベースで学ぶことは可能でしょうか?
一部、英語で行われる授業もありますが、日本語での教育が主体です(ただし、学位論文やレポートの一部を英語で提出することは可能です)。特に修士課程では、入学試験に合格するためには高度な日本語能力をあらかじめ有していることが不可欠です。博士課程の場合には、入学試験で同様の日本語能力が要求されることはありませんが、授業内容を消化するためには高度な日本語の能力が不可欠です。※ 修士課程第一次(筆記)試験(超域文化科学専攻文化人類学コース)の「専門科目」(文化人類学)の試験では、英語で解答することも認められています。ただし問題文は日本語のみで、受験者は日本語で書かれた問題文を読んだ上で英語での回答を選ぶことができる、ということになります。
大学院外国人研究生(下を参照のこと)の場合には、修士・博士の学生の場合とは異なり、日本語を学びながら授業に出席することが可能です。なお、東京大学は正規の外国人留学生(正規学生および研究生)のための日本語の授業を用意しています。詳しくはこちらのページ (日本語 / English)をご覧ください。
このほか、本コース教員は、総合文化研究科の英語のみで履修可能な大学院課程 Graduate Program on Global Society の教育にも協力しており、この課程に所属して、本コース教員を指導教員として学ぶ可能性も開かれています。