宮地隆廣
宮地 隆廣 MIYACHI, Takahiro [教授]
比較政治学
ラテンアメリカ諸国の政治と開発
これまで取り組んできたこと/現在取り組んでいること
主な研究関心はいわゆる「周縁化された人々」の政治参加です。ラテンアメリカ諸国を研究対象にして、労働組合や先住民組織が抗議行動の組織化や、政党の結成、さらにはクーデターへの参加に至るまで、どのように国政に関わろうとしてきたのかを扱ってきました。また、ラテンアメリカ諸国で広く見られる農村向け開発援助プロジェクトを対象に、住民がNGOや行政をいかに利用/活用しながら、自らの要求を具体化させてきたかというミクロな研究にも携わったことがあります。
現在は、参加をする人々の視点から離れ、参加を受け入れる/統制する制度の側に視点を移した研究も進めています。市民参加を掲げる制度には、実態として参加を制約する特徴を持つことがあります。これまでの具体的な研究対象として、国民投票の実施、「先住民の自然観」と称するものに基づく開発政策の形成があります。将来的には、民主制一般に関わる公正な政治参加の在り方について、まとまった論考が書ければと思っています。
大学院授業(多くは学部合併)で取り上げてきたテーマ
比較政治学の事例分析とその方法論が主なテーマです。前者の例としては、ラテンアメリカ諸国を中心とする開発途上国における民主制の後退、政策形成の事例研究の講読、ラテンアメリカ諸国の政党システムの編成があります。後者の例としては、過程追跡による因果的推論の方法、地域研究における比較手法の批判があります。詳細は「これまでの授業内容」をご覧下さい。
大学院進学を考えている人へ
比較政治学の研究にあたっては、政府にまつわる人の動きにパズルを見つけよと言われます。「パズル」とは、直観的に理解できない現象を指します。独裁者はなぜ選挙を行うのか、同じ民主制を採用しているのに政党が持続する国とそうでない国があるのはなぜかなど、不思議に思われることを考えます。自分にとっても、他の人にとってもわからないことがある時、それは時間をかけて一緒に考えてみたい問いとなります。文化人類学もまた、民族誌の中に、そして現場の中に「これは何だろう」と思わせることを見つけ、その報告を聞いた人も興味深く思ってくれれば、それは手応えのある問いになります。
「パズルがわからない」「わたしは現場に行ったことがない」など、不安に思う人がいるかもしれませんが、心配する必要はありません。先に書いた通り、問いは一人で見つけるのではなく、みんなで見つけます。大学院に進学するにあたって、何を学びたいのか、なぜそう思うのかを自分なりに具体的にしておくことは大事ですが、大学院で出会う人々とのやりとりを通じて、自分の関心は思わぬ方向に展開していくことになるはずです。
文化人類学の大学院には、何が起きているのか、そしてなぜ起きているのかを書くことについて、とことん考える人が集まっています。テーマは人それぞれですが、この点に関するこだわりは共有されています。こうした意識を持った人々と過ごす時間は、新しいものの見方や表現の仕方に気づかされる、刺激に満ちたものになるでしょう。みなさんが持っているみずみずしい感性に触れられることを楽しみにしています。
※超域文化科学専攻・文化人類学コース以外の学生も私を指導教員に指名できます。詳しくはこちらをご覧下さい。
研究業績
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